介護士のメンタルを守るためブラックな職場から転職を

ブラックな介護施設に注意

介護士のメンタルケアで大切なのは、働く環境から良くすることです。介護業界全体のイメージはややブラック寄りかもしれません。低賃金、長時間労働、サービス残業と、ブラックな介護施設があることは事実です。ブラックな介護施設は人材を確保してもまたすぐに流出してしまうので、残った介護士がどんどん苦しくなる負のスパイラルです。働く人にとって不幸なことですが、余裕がなく満足な介護ケアができない介護士に身を預けなければならない利用者も不幸です。介護士が転職するならホワイトな介護施設にしたいのは誰もが同じですが、問題はどのようにホワイトとブラックを見極めるかです。現場で働いてみなければわからないこともありますが、情報をうまく集めればブラックかどうかを見分けられる場合があります。

ブラック介護施設の典型的な特徴

ブラック介護施設は、スタッフの気持ちに余裕がありません。自然な笑顔がなく、ギスギスした雰囲気が職場全体に漂っています。有給休暇が取得しにくく、手当の支給が不十分で、勤怠管理は大雑把です。サービス残業は当たり前で、ハラスメント対策なども実施されていません。離職率が高いのでベテランスタッフがおらず、新人もなかなか育ちません。入職前に提示していた条件も入職すると平気で変更してしまいます。このような介護施設はブラックで、メンタルケアでは解決できないほどの大きなストレスを抱えてしまうでしょう。新人が定着しない介護施設は、上司や先輩に大きな問題がある可能性が高いことに注意しましょう。

ブラック介護施設見極めのポイント

ブラック介護施設を見極めるポイントは、求人掲載の頻度を見ることです。常に求人を出している介護施設は、介護士が定着していない可能性があります。「アットホームな職場」はブラック企業がよく使うフレーズです。面接の日に即採用されるような施設も要注意です。施設見学が可能ならば、スタッフの様子をよく観察しましょう。来客に対する挨拶がなかったり感じが悪かったりするようなら、スタッフ同士の人間関係はもっとひどいものかもしれません。給与が他の介護施設より高い場合も実は危険で、平均的な介護施設の業務量を大幅に上回っている可能性を考慮する必要があります。職場の環境改善やスタッフのキャリアアップの仕組みを持つ施設に支払われる「介護職員処遇改善加算」をとっていない施設も、ブラック介護施設の可能性があります。最後に注意したいのが一族経営の施設です。一族経営の施設全部がそうとは言い切れませんが、経費を悪気なく私物化するなどの行為が職場全体のモチベーションを大きく低下させている場合があります。