介護士がストレスを感じる原因とメンタルケア

介護士が感じる職場のストレス

どのような職場にも仕事上のストレスはあり、健康的に働き続けるためにはメンタルケアが必要です。介護の仕事で抱えるストレスの場合、原因となりうる要素にはいくつかの共通点があります。
介護士が感じるストレスで目立つのは、職場における人間関係からくるストレスです。介護士が働く職場は基本的に少人数のチームワークなので、閉鎖的な労働環境になってしまいがちです。相性が良いか悪いかに関係なく、現場スタッフでチームを組めばメンバー同士密なコミュニケーションをとる必要があります。スタッフの年齢や経歴がそれぞれ異なれば価値観も異なり、少しの考え方の違いからトラブルに発展することもあります。介護現場では、介護士のほかに看護職やケアマネなどのような専門領域が異なるスタッフが協力しながら業務にあたります。専門領域が異なるスタッフ同士だと意見が衝突することもあり、関係が悪い方向に発展して無視やいじめなどのハラスメントが発生してしまうこともあります。
事業所の運営方針が効率化最優先だと、利用者に寄り添ったケアができずにさまざまなひずみが生じてしまう可能性があります。質の低いサービスは利用者とスタッフ双方にとって大きなストレスとなるため、職場の雰囲気全体がどんどん悪化してしまいます。悪質な事業所だと、違法行為にあたるやり方をスタッフに押し付けることもあるようです。介護の仕事に対する高い志や熱意があっても、職場に根深い問題があるとやりたい介護の形を実現できずストレスになってしまうのです。「待遇面の満足度が低い」「離職率が他業種より高い」「急速な高齢化」など、複合的な理由から介護現場の多くは人手不足です。人手不足の職場は休憩や休暇が思うように取りにくく、残業やシフト変更などによる負担増でストレスがたまりがちです。真面目に働いてもそうでなくても給与は一定なので、評価に対する不公平感がストレスになる人もいます。

利用者やその家族との関係で生じるストレス

介護現場の人間関係がストレスになるのは、職場の内部に限ったことではありません。介護サービスの利用者やその家族からきつい言葉を投げかけられたり、ひどい場合だと暴力をふるわれたりすることがあります。介護士が自分の意思で利用者を選べるわけではないため、苦手な相手と長期にわたって付き合うことがストレスになる場合もあります。

介護士が感じる身体的負担からくるストレス

介護士の仕事は、移乗介助や入浴介助、不規則勤務などにより、身体に負担がかかる業務がいくつもあります。身体の節々に痛みを感じたり、積み重なった肉体疲労がなかなか抜けなかったりと、身体的な負担からくるストレスを抱えている介護士も大勢います。