介護士のメンタルケアの重要性

メンタルケアの重要性

超高齢化社会の日本において、介護問題は早急に解決しなければならない問題です。介護施設や在宅介護など、介護サービスが増加するにつれ介護士のストレスも多様化しています。介護サービスを持続可能なものとするためには、介護士のメンタルケアについて対策を考えていく必要があります。

事業所が実践できる介護士のメンタルケア

ストレスで心身の調子を崩さないようにするためには、日々のストレスを溜め込まないようにすることが基本です。介護事業所としてできるのは、介護士がストレスを溜めない仕組みを作ることです。事業所として行うメンタルケアは、個別の悩みに対応するようなものではありません。介護士のストレスを軽減するために、まずは職場の環境を見直します。
職場の人間関係をスタッフ任せにせず、先輩スタッフに気軽に相談できる仕組みづくりを行います。判断が難しい場面や困った状況に直面したときでも、気軽に相談できる窓口が用意されていれば安心できます。スタッフルームは気軽に雑談できる雰囲気づくりを意識します。勤務中の雑談を全て無駄だと考えるのではなく、メンタルケアに必要な要素であると受け止める必要もあるでしょう。仕事中のストレスを完全に無くすことはできなくても、解消できるストレスはその日のうちに解消できる環境づくりが重要です。スタッフの誰かが自発的にムードメーカーになることを期待せず、事業所が率先して職場の雰囲気を作ることが成功に欠かせないポイントです。介護業務の中に生じる問題や課題を放置せず、教育プログラムや情報共有によって介護士のスキルアップに役立てます。介護士がスキルアップすれば仕事に対する自信と熱意が高まり、事業所として提供している介護サービスの質を高める結果につながります。

メンタルケアは離職予防にも効果的

介護士不足は業界全体で共通する問題となっています。多くの介護士がストレスに耐えきれず離職しています。せっかく介護士を増やしても、ストレスで離職する流れが止まらないなら人材不足は解消しないままです。離職により人手が足りなくなった介護現場は、業務の負担増でさらなるストレスを抱えます。そのような負の連鎖を起こさないためには、介護士一人ひとりが心に余裕を持つ必要があります。事業所が率先して介護士のメンタルケアをサポートするなら、介護士が仕事に対する熱意や誇りを失うことなく元気に働き続けることができるでしょう。仕組みで解決しづらい人間関係の問題も、一人ひとりが心の余裕を持つことによってある程度コントロール可能なものにできます。